紅ショウガ

紅ショウガはお好きですか?

好き嫌い、かなり割れる食材だと思います。

子供の頃の私、紅ショウガって嫌いでした。なんかすっぱ辛いし。

 

ウチは両親共働きで、遠足なんかのお弁当はばぁちゃんが作ってくれる事も多かった。

たまに母親が作ってくれるお弁当が嬉しくて。

だって、他の子のお弁当ときたら、タコさんウインナーとかうさちゃんのりんごとか、イシイのおべんとくん・ミートボールとか、ABCポテトとか、今でいう「キャラ弁」みたいに凝った物は、流石にまだなかったけど、可愛らしいニコニコおにぎりに、カラフルでオシャンティなおかず達。うらやましかったなぁ。

でもばぁちゃんが作ってくれたお弁当も、母親が作ってくれるお弁当も、毎回おいしくいただいておりましたけどね、もちろん。

でも、子供ってやっぱ見てくれキラキラしたもんには、憧れてしまうのよ。

「可愛いお弁当にしてくれ」なんて言った事はなかったけども。モジモジ内気だった幼い私。

可愛い!!当時の私可愛い!!当時の私!!!泣。

 

ある日、その日もお弁当。

フタを開けると、なんと!おにぎりに顔がついていたのです!!

真っ白なご飯に海苔を切って貼り付けた毛、海苔を切って貼り付けた目、そして…

紅ショウガで出来た口。

1本でニコッ、じゃないの。2本で「上唇・下唇」なの。何このムダなリアリティ!!正直、可愛くない…。若干の狂気すら感じる…。しかも当時の私、もう小学校も高学年になっており、可愛いお弁当に憧れるピークはもう何年も昔に過ぎ去ってたんですよ。

でもね、ばぁちゃんなりに、可愛らしいお弁当を作ってあげようと、朝っぱら奮闘しながら、このお弁当を作ってくれたんだと思ったら、なんだかとってもじんわり嬉しくて…。

こりゃもう、帰ったらソッコーお礼を言うべき事案ですよ。

「ばぁちゃん、おにぎりが顔になってたよ。ありがとう!」

モジモジ。そしたらばぁちゃん、

「メンド臭かったけどねっ!!!ケッ!!!」

えええ〜…。思ってたんと違う…。孫を想う優しいおばぁちゃんと幼い孫の愛に溢れる会話とか、そんなんと全然違う…。なんか…、サーセンっした…。

 

でもね、ばぁちゃん、あれから私、紅ショウガ大好きになったんよ。

なんでかな。ガリは未だにそんな好きじゃないけど、牛丼にも焼きそばにも、紅ショウガがないと「物足りない」。細かく刻んで、おいなりさんのご飯に混ぜてあると嬉しくなる。巻寿司にちょっと入ってると「お、やるじゃねぇか!」と思う。

本当に、その日を境に、紅ショウガが好きになった。なんでかな。

 

今思い出すと「照れ隠しばぁちゃん」可愛いけど、当時はマジで「微妙なオチがついた件」だったんだけどな。

そんなばぁちゃんの幼少期、次回ちょっと書いてみましょうかね。

今日のところは、これでおしまい。